2007年09月06日

自然破壊(2007年9月6日)

 亘理、山元方面へ。公共事業費の削減で海岸浸食が進み、海水浴場の砂浜がだんだん失われているとのことで個人的な視察に来た。既に砂浜が完全に失われ、コンクリートの護岸に直接波がぶつかるような海岸もあった。国土交通省の調査によると、78〜92年間で160haの砂浜が消失したとの報告である。その勢いは現在も止まる気配がないとのこと。

 浸食が起きる理由は、大きく分けて3つの理由がある。第一に、海岸に流入する砂の減少である。砂浜は、山や海岸沿いの崖が崩れて生じた土砂が流れ着いて堆積したもの。しかし、ダムや崖が崩れないよう堤防を建設すると砂はせきとめられ海岸に到達しない。

 第二は港湾や突堤が沿岸の砂の流れを止めてしまうことである。河川や崖から海に流れ込んだ砂は海岸線に沿って流れる「沿岸流」に乗って海岸に到達する。しかし、突堤などによって沿岸流がせき止められてしまうと、砂はその先には届かなくなってしまう。第三が沿岸の宅地保護などのために植えられた防風林だ。もともと砂浜だったところに植えた防風林が砂浜を狭め浸食の影響を一層大きくしてるといわれている。

 近年の研究によって浸食が進むメカニズムが解き明かされてきたが、いずれも1工事数十億円かかる。海岸の事業費は、国の予算で年1,000億円に満たない。

 狭い国土の中で現在2,532のダムと4,011の港があり、大型事業はやり尽くしたといわれている。

 公共事業費を一律に削減するのではなく、事業の進め方を見直すとともに、必要な事業には費用を適切に割り当てる仕組みが必要なことを台風の余波で荒れ狂う波を見ながら考えを新たにした。
posted by きくちふみひろ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする