そのつぼみが膨らんだ梅の木に目の縁が白いうぐいす色したかわいらしい『めじろ』が囀っている。早春を感じさせる朝であった。
王維の「雑詩」(中国の詩人)
"已(すで)に寒梅の発くを見 復た啼鳥の声を聞く"にふさわしい光景である。すでに寒梅は花を開き、また鳥の囀りも聞こえてくる。愁いに満ちた心で春の花を見つめていると、玉のきざしに向かって茂りはしないかと心配になってくる。という意味だそうだ。
この王維の雑詩は旅に出てなかなか帰ってこない夫を憶う妻の心を歌った五言絶句である。夫が帰らぬうちに春草が階段で生い茂りはせぬかと閨怨(けんえん)の情を軽妙に描いた詩と言われる。2月の今頃は寒梅がほころび春草が芽を出す頃であるこの節にぴったりの歌である。
忙中開あり、"ときどき立ち止まって風情を楽しむものも良いものだ。足元には、タンポポが芽を出している"踏まないようにそっとしておこう。

